卵の値上げの行方と養鶏産業の危機
養鶏業界は飼料価格の高騰により、生産者の再生産可能な取引価格に支障が出てきている。
日本鶏卵生産者協会は平成20年2月12日に『養鶏危機突破緊急全国生産者大会』を開催した。
この大会の中で、卵の価格が昨年並みに推移した場合、コストは27円/パック上昇し、業界全体で1100億円前後の巨額な赤字になると報告された。
その大会から2ヶ月弱が過ぎ、現在の鶏卵価格は果たして他の食品と同様値上がりしているのだろうか。
地養卵も値上げの申し入れを行い始めたが、受け入れてくれた流通業者はない。
大手食品メーカーのように自社製品の値上げを続々と行うような状況化にあっても、鶏卵業界は中小企業の集合体であり、リーディングカンパニーとよばれる企業でさえ業界全体の4%のシェアしかないため、大々的に畜産物の値上げが報じられることはない。
しかし、本当に卵は『価格の優等生』であり、値上げは行われていないのだろうか。
 
 
■白い卵と赤い卵

スーパーで販売されているパックの中に商品名や賞味期限が記載されているラベルが入っている白い卵をレギュラー卵と呼んでいる。
この卵は鶏卵相場によって取引をされている。価格はあくまでも相場に左右される。
毎週調査されている農林水産省消費・安全局「食品価格動向調査業務の緊急調査」による全国平均小売価格を見てもその動きは明らかだ。
鶏卵に関して言えば、
【小売調査価格】
  H19.3月最終週186円/パック→H20.3月192円/パック
【鶏卵相場】
  H19.3平均183円/kg→H20.3月195円/kg
と相場と連動しているのが分かる。

一方、赤い卵に多い、パックの外側にカラフルなラベルを貼っている卵を特殊卵と呼んでいる。
この特殊卵はヨード卵に代表されるように、鶏卵に付加価値をつけてプレミアム価格で販売されている。
特殊卵は鶏卵相場の影響を受けず、各生産者が独自の価格を設定し、流通販売している。ここ10年以上前から特殊卵がブームになり、売り場では半数以上特殊卵を置いているところもある。特殊卵は採用時に価格が設定され、一度設定されると安くなることはあっても、上がることは無い。しかし、弊社としては流通業者に現状を理解してもらい、生産者の再生産可能な価格として希望小売価格28円アップの申し入れを今後も続けていく。
 
■ 鶏卵を取り巻く環境

消費者の知らないところで、相場を使ってジワジワと卵の価格は上がってきている。だが、この価格上昇が飼料価格高騰を補う分には到底なっていない。
もちろん相場が下がれば価格も下がってくる。飼料価格の高騰によってダメージを受けた養鶏業者はどうなっていくのだろうか。帝国データバンク信用情報で今年1月から今日現在までの農畜産物製造業で自主再建を断念した企業を調べると、鶏卵生産者のみ3件あった。今後、飼料の中心であるとうもろこし等の輸入原料が確保できない状況になるとも懸念されている。供給過多の状態がコストを価格転嫁できない要因の一つとも捉えられている。米国のように減産によって鶏卵は値上がりするのだろうか。
 
 
Get Adobe Flash Player
 ※最新のFlash Playerをダウンロードしてください。 FLASH / HTML
※Windows 95/98/Me/NTをご利用の方はHTML版のページをご覧ください。